大頂寺

浄土宗の古刹で、境内の虚空蔵堂に富士山中から下ろされた大日如来像が祀られている。
明治初年の廃仏毀釈運動によって、富士山中の仏像仏具が破壊されたり引き下ろされたりした。その際、富士山から下ろされた仏像は、当時浅間神社とかかわりの深かった中屋・かぎや等が分割して貰い受けたといわれる。大頂寺の大日如来坐像は頂上にあったもので、中屋が貰い受けたと仏像の内の一体を大頂寺へ納めたものであるといわれている。
虚空蔵堂の西側に「角田桜岳記念碑」がある。角田桜岳は、文化十二年(一八一五)大宮町連雀に生まれた人で、江戸に出て学んだ後、大宮町の町役人となり郷土の発展に尽くした。また、幕末のころ、当時としては先進的な地球儀の作成に関与するなど、その業績は政治・経済・文化など多方面にわたっている。

富士宮市教育委員会